高齢化の法的および社会的帰結:日仏比較アプローチ
高齢化(2018年時点で世界に9億人の高齢者)がフランスおよび日本社会にとって大きな課題となっており、両国は前例のない法的・社会的・経済的影響を伴う人口ショックに直面している。日本では「みなおなじ(皆同じ)」の理念が揺らぎ、フランスでも社会モデルの中心にある平等主義(年金制度、高齢者に関する福祉・社会的支援)が脅かされている。フランスでは2030年に60歳以上の高齢者が2,000万人を超えると予測される一方、日本は急速な高齢化に直面しており、2017年には65歳以上の高齢者が3,550万人(人口の27%)、90歳以上が200万人に達し、2060年には65歳以上が人口の40%に達すると予測されている。
本シンポジウムでは、フランスと日本の高齢化がもたらす法的・社会的課題を比較し、診断を行ったうえで、高齢化の現場、介護者の役割、高齢者支援における技術革新の重要性(ホームオートメーションやロボティクスの発展)を法的枠組みの中で倫理的観点も踏まえながら検討することを目的としている。